Last Updated 2018-06-22

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Junk Essay. 弊社社長のクダラナイ雑記

避けて通れない「大人の事情」 2010.7.16 

ろいろあったけど、Vol4を無事に配信開始。収録済みのものが現在20曲、6月に2日間のロケを行って新しいアーティストの収録を敢行して20%を超えました。20/100ですのでまだまだですが、「序盤」という言葉はそろそろ卒業してもいいポジションに来たと思ってます。

 前回「現況月2でもちっと頑張らないと・・」という話をしましたが、今月はリリースが1曲だけとなってしまったかわりに、この2ヶ月で3回刊行を予定しております。で、これが1曲になってしまったのには「著作権料」の関係で1曲減ってしまった(”大人の事情”ってヤツです)というのが真相で、同じ作曲家でもOPによってここまで対応が違うんだなぁ。。と思うと「著作権」の在り方というのは「広がりを取るか、額面を取るか」によって、そのポジションは(少なくともプロフェッショナルの現場では)大きく変わると考えます。
     2010年6月のロケより(花島CC) Photo:Kenichi Haga. 今作でフィーチャーした作曲家はガスパール・カサド。この作曲家はチェリストとしても有名であり、奥様が日本人であったことから日本でも有名な方でありますが、多くの作品を輩出していながら、以外に演奏機会にも収録機会にも恵まれておらず、是非に!ということで2曲収録を行いましたが、各々出版社が違う上に1曲はサブのためOPがまだ別にいる、という状況で嫌な予感を抱えつつ問い合わせを行った結果、現在公開中の方は独・ショットミュージックさんがOPということで現地法人がJASRACの基本契約に沿って出してくださるという「至れりつくせり」の簡単さで処理が出来たのに対し、サブの方はOPへの問い合わせの末に有り得ない程高額な使用料が見積もられたためこまっちゃったなぁ。。と悩みつつもスポンサーを探してみたりと可能性だけは探りましたが結局ギブアップ。。何でもそうなのですが、コマーシャルの世界で音楽をやる、というのは、驚くほど広がりのあるビジネスであることを皆が自覚しないとなかなか音楽自体が浸透してこないということ。そのような意味でJASRACなどは(そうそう、今月からうちも基本契約の事業者になったんですよ。とコッソリ呟いてみるテスト)広がりがあり、様々な需要に迅速で的確に応えてくれるという点では、制作者にとっても利用者にとっても、プロの現場では有難い存在であります。

 それでもプロの中にもそれを非難する人、というのは相変わらず沢山いますが、使用許諾を取らずに映像を放映していたら、JASRACにお金を払いたくない、という理由だけである日を境に無音放映にすることをプレスリリースで平然と言い切って、平然と無音放映を続けている、なんてのをやっている芸能プロダクションなどを見かけると、「広がり」(そういうものにお金を支払うことで、プロの仕事は生業として成立する)をプロ自身にも理解していない人が多いんだ、という現実を垣間見て、なんだかなぁ、と思ったりするわけです。そういう人がこの業界でいろんなことをやろう、なんて思っても、お金にする何某の局面になれば「広がりのための」というところで嫌でも避けて通れないところが幾らでも出現します。「コマーシャルな世界に嫌気が・・」などという話については枚挙に暇がない程いろんな話を聞きますが、破廉恥な(ぉお、正真正銘の「大人の事情」wwww)ものを除けば殆どがこの部分の話なので、ただでさえリソースが余っていてご飯にありつけないところでそんなことに嫌気を差されて公の場でそんな話をしたところで、それでも真面目にやっている人間から言わせてもらえば「欲張りで自己顕示欲旺盛な我侭者」と言われても仕方がないわけで(事実、ここの小僧は自分で自分を「わがままアーティスト」とブログで公言しているから間違いない)、少なくとも真面目に業界でやろうとしている人間から見れば許せない話なわけです。

 まぁ、この小僧のプロダクションが業界で音を上げるまでに、もうそんなに時間はいらないんだろうなぁ、と思ったりする今日このごろでありますが、彼も講演でワケノワカラン業界話をあちこちで言って廻るというのは業界の人間としは許し難く、とっとと出て行け!と思うわけです。(了)

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