Junk Essay. 弊社社長のクダラナイ雑記
証拠は、ここにある。 2012.02.06
ついにというか、やっとというか、もう随分前に約束したCDレーベル発足がようやくお正月に現実になり、ファーストタイトルを無事に1月30日にリリースすることが叶った。本当は「世界同時発売」の予定だったけれど、内外のタイムラグの問題で、海外での発売は2月の中旬以降にスタートという状況。構想から約2年、様々な制作環境を整えて、技術的な戦技を蓄えるのに随分と時間を要したものの、全ての原盤の権利の取得と制作機能の内製を実現し、製造販売を全て自社で整えてリリースするという、レコード会社が本来持つべきプロトコルを確立出来たことで、今後の継続的なリリースに繋げる第1歩を踏み出すことになった。今月までに2つのタイトルをリリースし、この夏までにこのリリースを含めて5つのタイトルをリリースする予定で、秋以降のリリースに向けて、粛々とレコーディングも続けられている。
但し販路はまだまだ開拓出来たとは言い難い状況なので、継続的に足で開拓する日々が続いていて、販売店の各位に、まずは「証拠」となるCDを手に取って頂く、という営業活動が続いている。一方で、インターネットの方は「飛び道具」よろしく各国のディストリからの応答に、私の「アヤシイ英語」で矢継ぎ早に回答を繰り返している。国内よりも海外の方がこの件については活発で、そう遠くない将来、「海外先行発売」の日がやってくるのではないかと本気で思えてしまうような状況である。
営業をしていて思ったことは、やはり証拠たる「商材」がない限りは話は聞いてもらえない、言い方を変えれば、「証拠は、ここにある。」とはっきり言える局面においては、何らかの反応が得られるということだ。何でもそうなのだが、どんなに優れたセールスパーソンでも、肝心の商材がなければ何も出来ないわけである。この2つのタイトルを最初のリリースに投入した理由は実はここで、ワン・ツーのタイトルは「誰もが一度は手に取って、そしてその継続性がある」という武器をセールスのファーストアタックで正面からぶつけて行きたい、と考えたからだ。もし私が一介の制作技師だったら、お為ごかしに適当な利益を得られそうな愚にもつかない企画物のCDを拵えて、あとは無責任にディストリに丸投げしていただろうけれど、アーティストも、技師も、精一杯の心血を注いで作ったものを責任を持って市場に送り出す「レコードレーベル」としての役務を果たすことが私に課せられたミッションであり、旧来の音楽流通のドグマに嵌ることなく、ニューパラダイムを創出することで、全てのステークホルダーの「利益と価値の極大化」に貢献すると考えている。この国に生まれた新しいレーベルが、どんな「証拠」を市場に示し続けるのか、其処に注目して欲しいと思う今日この頃である。(了)