Last Updated 2018-06-22

Junk Essay. 弊社社長のクダラナイ雑記

ニュー・パラダイム 2010.12.19 

でもそうなのですが、物事に「永遠」というのは存在しません。どんなに優れたものも、何時かは終焉がやってきて、新たな「存続」のために様々な変化が起こる。今、我々がやっている事自体も、そういう変化の中にニュー・パラダイムを求めて造り続けているわけで、今まさに非常に大きなパラダイム・シフトの渦中にあります。 
 リハーサル中(DPIC-Kashiwai Studio)数年前に地元のオーケストラである「ニューフィル千葉」が、財政難でその存続が危ぶまれていた際に、ユニオンの代表がオンラインのインタビューでその存続について語っていたけれど、「存続のために公共で「教育」の一環で出していた移動教室の数が減ってしまったのが最大の原因で、千葉県は少年少女オケにこれだけ尽力しているのだから責任を持ってエスカレート先のプロオケを支えなければダメ、(オケは)文化財で儲からないんだから立ち行かないということを皆が理解しないといけない。」と語っていた。

これを話している氏は私も以前音楽関係でお世話になった人なので、その内容の善し悪しについてはここでは触れない。が、クラシック音楽に携わってそれをビジネスにするためには、「文化事業」であることがパラダイムの土台だと声高に騒ぐ「音楽のプロフェッショナル」を「ビジネスのプロフェッショナル」は間違いなく評価はしない。そして散々聴衆を置き去りにして、音楽をマネタイズする手段のパラダイム・シフトの波に、ビジネスの見識も理解もないプロは皆飲み込まれているわけです。
 我々も勿論その波間にいる者の一人なわけだけれど、既に波がどう来るのかは5年も時間がかかってしまったけれど動きは見えるようになったので、それはもう今迄の業界では考えられないような方法と予算で「文化事業」なんてことばとは最も遠いところでこれを続けていて、そういうところを理解してもらえる多くのスタッフやアーティストに恵まれたことで、目指すべき「ニュー・パラダイム」は、まだちょっとだけだけれど、砂漠の彼方に見え隠れするようになってきた。

 そして来る2011年には、様々な作品の発表を予定していて、それらを何らかの結果に導くことが砂漠の隊商の隊長である私のミッションなわけだけれど、同時にちょっと大きな仕込みをしようと考えております。その内容については此処では詳しくは触れないけれど、来年プロオケをひとつ作ろうと考えております。勿論、文化事業でそんなものを作るつもりはなくて、そのオケの在り方自体が、このビジネスの「ニュー・パラダイム」になる。そういうオケを作ろうと考えています。年明け早々に関係者へのヒアリングを行って、市場にプレイヤーが溢れる春前には団員の募集を始めるというのが現時点でのロードマップです。ただ、このパラダイムを理解出来るプレイヤーがどのくらい市場にいるのか?でこのオケが出来るか出来ないかが決まります。勿論皆にソレを理解してほしいとは思っていないし、このオケの座席はせいぜい60席くらいしかないので、ソレが理解出来る60人を集められればそれでいいと考えています。この件については2011年の冒頭にでもまた此処で触れたいと存じます。(了)

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